コーヌステレスコープKonus telescope

コーヌスクローネを応用した補綴物が1980年代に一部の臨床家の中で広まりましたが、10年間ほどで下火になってしまいました。
色々なトラブルが生じてしまい、その評価を落としてしまったためです。

トラブルの原因はパーシャルデンチャーの設計の問題を始め、製作方法、使用金属、適応症等が統一されていなかったためだと思われます。

補綴物が長期間にわたり正常に機能し、口腔内にとどまるには正しい臨床操作と技工操作が行われて初めて達成されます。

コーヌステレスコープの場合、内冠製作から外冠製作、患者様への装着が正しい方法で行われていたかどうかが非常に重要であり、よい維持力が発揮されるのは、正しい方法で正確にコーヌス角度が与えられ、コーヌスクローネに適した金属で製作されたかどうかによります。

現在、最も問題とされているのは、維持力に関することであり、維持力が強すぎる場合、あるいは弱すぎる場合にどのように対処するか、また、維持力調整の前提として正しくコーヌスクローネが製作されたかどうかが重要です。

コーヌスクローネのような形をしていても、実はコーヌスクローネではない場合も多くみられます。

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コーヌスクローネはその特徴を発揮するためには、精密に製作し、大変難しい技術です。

当技工所では、本場ドイツにてコーヌスクローネを直接学んできた、顧問の稲葉繁先生より正しい製作法の指導を受けおります。

また、先生方におかれましても、IPSGスタディーグループにて正しい製作法を身につけていただき、コーヌス理論を熟知していただくことをおすすめいたします。

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コーヌスクローネ製作に不可欠な機器も当技工所には取り揃えてあります。

フリーハンドで研磨を行うと、角度が変化したり軸壁に丸みを帯びてしまいます。
そこで、横型研磨機を用い器械研磨を行うと、維持力を常に一定に保つことができ、不安定な内冠の軸面の仕上げを取り除くことが可能となります。

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コーヌスクローネの維持力を確実に発揮させるためには、コーヌス角度6度をいかに正確に形成するかが重要なポイントとなります。

「コーヌスクローネの生命は内冠にあり」といっても過言ではありません。

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コーヌスクローネの問題点として、ネガティブヴィンケルの問題があります。
平行性の問題で、前歯の歯頸部の部分に金属面がでてしまい審美性に問題があるようなケースです。

しかし、これらの問題を解決するために、ドイツの技工マイスターH.Pfannenstiel,R.Plaum,機械工学マイスターH.Breitfeldらによってコナトアが解決されました。

ドイツのラボには必ずあるコナトア、日本ではまだまだ普及していませんが、コーヌスクローネなどの全顎技工には必須のアイテムとなります。

模型台の傾斜を6度の範囲で自由に調整できる台であり、ドイツのラボにおいて、出来る限り少ない器具で、短時間に補綴物を製作しなければならない必要から生まれました。

6度の測定杆、6度のワックスシェーバー、6度の金属用カーバイトバーの三種のインストルメントを使用することでコーヌスクローネの内冠に均一な厚みを得られ、ネガティブヴィンケルの少ない正確なものが製作でき、大幅に作業能率が上昇します。

装着方向に対して平行性を失わなければ、6度の範囲で自由にコナトアを操作し、支台歯の最も適正な内冠の形成ができるのがコナトアの特徴といえます。

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内冠の試適に際しては、適合性はもちろんのこと、内冠の位置関係を正しく外冠用模型に再現する必要があります。
この方法としてオクルーザルコアがあります。

これは、外冠製作時の支台歯間の位置づけ、義歯のフレームとの位置関係、補綴物の一体化の際に使う大変大事なものとなります。

こちらに関して、内冠製作時、ラボで製作をさせていただきます。

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ユージノールペーストでオクルーザルコアを固定し、外冠および義歯部のための印象採得を行います。

内冠と外冠は別々にセットするのではなく、同時にセットするのが本場ドイツのコーヌスクローネです。
これら一連の作業を、チェアーサイド、ラボサイドでお互いをチェックし合いながら連携することで、安定した維持力を得られ、患者様の喜びへと繋がります。

初めてコーヌスクローネに挑戦する先生もいらっしゃると思います。
チェアーサイドではどのように作業をすすめていけばよいか、わかりやすくアドバイスさせていただくので、どうぞご安心ください。

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ドイツでは、コーヌスの支台歯には原則として生活歯を使わなければならないということでしたが、日本においては、支台歯を抜髄することで、歯根破折を起こし、トラブルの原因となるケースも多くみられます。

正しい方法で行われたコーヌスクローネは、多くの症例で30年以上の経過を保っています。
ぜひ、挑戦していただきたいと思います。

コーヌスクローネを学びたい先生方へ

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当時、稲葉先生が出版した『正統派コーヌスクローネ』が冊子になりました。

オクルーザルコアの使用、コーヌスのミリングマシーン、正しい印象法、セット方法など、詳しく正しい方法で書かれています。

コーヌスクローネの基本的な設計は、すべてのパーシャルデンチャーに応用することができます。
他では入手することができない一冊、ぜひお手に取っていただけますと幸いです。
書載の詳細はこちらから→

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