咬合調整の基本原則その3〜バーティカル・ディメンション〜

こんにちは。

Weber dental labor の稲葉由里子です♪

咬合調整の基本原則

将棋の駒理論ABCコンタクトに引き続き、バーティカル・ディメンション(咬合高径)を大きく変えずに調整をする方法についてお伝えいたします(^_<)-☆

私達は、しばしば咬合紙の色がついたところを削りがちです。

しかし、ABCコンタクトを意識せずに削ってしまうと、バーティカル・ディメンションが低く変わってしまう恐れがあります。

特にBコンタクトに咬合紙の色がついている場合は注意しましょう。

ビュンっと削ってしまうと、咬合しなくなってしまい、咬合調整を永遠に続ける事になってしまいます・・・

『高いところを削るのではなくて、高いところが通りやすいように溝を切る』

咬合調整の最終目安としては、中心咬合位の高さを最終的な高さとして調整することが重要です。

FullSizeRender.jpg

多くのケースで中心位と中心咬合位の高さは異なっています。

このような場合には中心位から中心咬合位へスムーズな移行ができるように中心位における咬頭の干渉を削合することがあります。

このような時、何処の咬頭を削るべきかということになりますが、咬合紙で色がついたところならばどこでもよいというわけではありません。

挺出歯であるとか傾斜歯など歯列を乱している歯や咬頭をたとえ機能咬頭であっても優先的に削合します。

しかし咬合調整の原則は咬合高経を変えないことですから、Bコンタクト、機能咬頭は削ってはなりません。

咬頭の通り抜ける溝をゴシックアーチの方向に削合します。

DSC_0077-thumb.jpg

咬合面には作業側、平衡側そして前方方向への溝が隠されていますので、スタンプカスプの動く方向への溝を切り干渉を取り除きます。

これを確認するのは模型を咬合器にマウントして見て削合する方向を確認してから調整することが大切です。

その時中心咬合位でインサイザルピンの高さをインサイザテーブルの高さに密着させ、この高さを咬合調整の最終の高さとします。

その後、中心位へ誘導したときピンはテーブルとの間に感激が生じますので、中心位の咬合干渉を取ることにより、中心咬合位で調節したピンの高さまで調整します。

その結果、咬合高経の高さに変化は生じてきません。

口腔内では中心咬合位でどこの歯が接触しているかを確認しておき、削合後に同じ歯が接触しているかを確認することです。

そのようにすればバーティカル・ディメンションを大きく変えることがないので、ぜひ意識してみてください♪

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