咬合調整の基本原則その2〜ABCコンタクト〜
こんにちは。
Weber dental labor 稲葉由里子です♪
前回の『将棋の駒理論』に引き続き、咬合調整の基本原則をお伝えしたいと思います。
第2回目は、『ABCコンタクト』
稲葉繁先生がチャールス・ E・ スチュワート先生の講義を受けた時の教科書です。
左側の図はイコライザー、クロージャー・ストッパー、右側の図はABCコンタクトに関してのものです。
これらの単語は臼歯の咬合面の調整の際に重要な知識です。
咬頭嵌合時に臼歯には、歯軸方向の荷重が加わるようにするために必要な知識が『ABCコンタクト』です。
臼歯の接触状態を前頭断で見ると、いわゆるABCコンタクトが有ります。
咬合力を歯軸に伝えることは歯を長持ちさせる為に重要な事です。
逆に言いますと、臼歯は側方力を避けなければなりません。
Aコンタクトは上顎の頬側咬頭内斜面と下顎の頬側咬頭の外斜面の接触です。
Bコンタクトは上顎の舌側咬頭の内斜面と下顎の頬側内斜面が作る接触です。
Cコンタクトは上顎の舌側咬頭の外斜面と下顎の舌側咬頭の内斜面の接触です。
ABCコンタクトは歯を安定させる為に必要な接触状態を作ります。
この時Bコンタクトが最も大切な接触です。
もしBコンタクトが無ければ歯は頬舌側方向に移動してしまいます。
Bコンタクトをイコライザーと呼び、歯の移動を防止する接触を作りますので、上顎の舌側内斜面と下顎の頬側内斜面の接触は無くてはならない大切な接触です。
同様に近遠心方向からみた時にも安定をしなければなりません。
同じ方向の斜面同士の接触では歯は移動してしまいますので、逆の方向の斜面の接触を作ります。
即ち移動する力を打ち消すコンタクトをイコライザーと呼びます。
クロジャーストッパーとは上下の歯を接触させると辺縁同士の接触に2箇所の接触が出来ます。
たとえば2つの輪ゴムを少しずらして重ねると、2箇所の交点が生まれます。
これと同じことが上下の歯の辺縁隆盛同士に生まれます。
これは中心咬合位を作る接触であり、下顎が頭蓋に最も近づいて、咬頭と窩、隆線と溝が最大面積で接触する位置を取ります。
そのような意味を持つのがクロジャーストッパーという事になります。
咬合面は一つ一つに大切な意味を持っています。
イコライザーいわゆるBコンタクトがないと、上下の歯は傾斜してしてしまいます。
Bコンタクトをつけることで歯軸に力が入るということを常に意識しましょう。
ちなみにABコンタクト、BCコンタクトは大丈夫です(^_-)-☆
小臼歯などはABコンタクトが多いようですね。
スチュワート先生のテキストは、素晴らしい事が沢山書かれています。
▼Closure Stoppers
Any contact of a distal incline of an upper tooth with a mesial incline of a mesial incline of a lower tooth is called a closure stopper.
▼Equalizer
Any contact of a distal incline of a lower tooth with a mesial incline of an upper tooth is called an equalizer.
~CHALES E.STUART,D.D.S~
中心位の概念が違っていた事により、ナソロジーを否定する傾向がありますが、ナソロジーは本当に間違っているのでしょうか?
いいえ。
ナソロジーのすべてが違うわけではありません。
ABCコンタクト、クロージャーストッパー、イコライザーについては、歯科医師、歯科技工士であれば、一度は学ばなくてはいけない大切な知識だと思います。
ぜひ、患者様にも噛み合わせの重要性について、お伝えください。
私達が提供する技術は、これだけ重要な価値があるということをぜひお話いただければと思います♪
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