テレスコープ外冠と床の連結部の破損について

こんにちは。

Weber dental labor 稲葉由里子です。

今回は、以前お伝えした

床や脚に対するドイツ人の考え方

の続きとして、テレスコープ外冠と床の連結部の破損についてお伝えしたいと思います。

 

テレスコープや、パーシャルデンチャー装着後、連結部から破折するようなケース。

レジンで修理しても同じところから毎回破折してしまうこと、ありますよね。

連結部の構造で、外冠と金属床を鑞付する場合は、その部から破折することがあるため、十分な強化を図ることが大切です。

外冠から脚を延長した場合は、床との連結をレジンで行いますが、このとき脚の上に床のスケルトンを乗せるようにする必要があります。

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その理由は、咬合力を粘膜面に直接伝達させるよりも、外冠の脚部を介して伝達させたほうが強度が増すこと、前回もお伝えしましたように、修理の必要性を生じた場合、粘膜面の脚部のレジンを削ることにより外冠との分離が簡単にできることによります。

修理ができるように、あらかじめ設計するということですね。

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スケルトンを乗せることにより、咬合力は脚に伝達します。

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外冠の連結とともにリンガルバーを応用することにより、連結部への応力集中を防止し強度を高めます。

連結部専用のアタッチメントも数種類のものがドイツでは市販されていますが、この使用も良い結果を生みます。

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こちらが二重T型アタッチメントです。

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このくらいしっかりと鑞付だけに頼らずに強化しておくと、破折の可能性は格段に下がります。

やはり、レジンによる接着だけでは、難しいと言えるでしょう。

患者様にテレスコープは見えない部分まで、しっかりと設計、義歯が割れないように力の分散をしているということをぜひお伝えください。

保険治療のレジン床と、こうして手間ひまかけた床の違いをお伝えすることで、患者様ご自身の入れ歯の価値を理解することができると思います。

 

 

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