Q.テレスコープ治療における支台歯の切削量はどのくらいなのでしょうか?

Q.先日の「テレスコープの臨床」セミナーの中で、内冠支台として有髄歯が良いと言われていましたが、その形成量、形成面はどのくらいなのでしょうか?

複雑な補綴物が製作されますので、かなりの切削量と思われます。冷水痛、疼痛などの問題についても教えていただければと思います。

 

A.ご質問ありがとうございます。

まず、テレスコープ内冠が有髄歯であることが理想的という理由に関しては、テレスコープは強支持型の補綴のため、直接支台歯に力が加わります。

そのため、単根歯の支台歯では破折を招く危険性が大きいです。そのため、有髄歯を支台歯とするのが原則となります。

切削量は、前装部は、内冠外冠合わせて1.5ミリ、咬合面は2.5ミリは切削する必要があります。メタルボンドが1,2ミリなのでわずかに大きい程度です。

しかし、有髄歯切削後のテンポラリークラウンの製作、セメントでの仮着は原則お願いしたいと思います。

複雑な装置、リーゲルレバーの部分は歯の欠損部に組み込みます。

コーヌステレスコープに関して間違った治療方法、製作手順、が日本で広まりました。

その一つ、コーヌステレスコープにするために神経を取るというのは大きな間違えです。

基本はすべて有髄歯、無髄歯であったなら内冠を連結するなどの対策が必要です。

それから、切削後の疼痛は切削に対しての十分な対策をしなくてはいけません。

それは、熱と振動です。熱に関しては十分な注水量、一分間50ccが必要です。歯髄内の温度が10度上昇すると歯髄の炎症は免れません。さらに振動に対しては、エアータービンの軸ブレがないものを選ばないといけません。

タービンで太い物で削るよりも細めの小さいバーを使い、注水は3方向から行う。あるいは5倍速のモーターを使用することも良い方法です。

テレスコープ治療で歯髄炎が起こる事のないよう、注意が必要です。

KaVo社のユニット、器具など、優秀な道具が治療をサポートしてくれていると思っています。

 

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