レジリエンツテレスコープの適応症

こんにちは。

Weber dental labor 稲葉由里子です。

今日は、レジリエンツテレスコープの適応症についてお伝えしたいと思います。

ドイツチュービンゲン大学で開発されたレジリエンツテレスコープは、チュービンガーデックプロテーゼと呼ばれる、粘膜で支える義歯のため、歯根膜の感覚を残すことができます。

残念ながら沢山の本数の歯を失ってしまった方に適応する方法です。

少ない本数だからこそ、患者様は大切にされており、抜きたくない気持ちは大きいと思います。

ご自身の歯を利用、完全なる総義歯とは違うため大変喜んでいただいている義歯です。

今回製作してくれたのは、Weber dental labor の詩織ちゃんです。

最近とても注意しているのは、歯の残存している部位です。

前歯の部分はどうしてもアンダーカットがあるため、義歯による膨らみが気になる場合もあります。

そのような場合、患者様はその膨らみにコンプレックスを抱いてしまうと思うので、よく相談をし、抜歯も検討します。

仮義歯を装着すると、前歯部の膨らみの許容範囲の目安ともなるので、参考にしてみていただきたいと思います。

歯を残すとして、前歯に内外冠がある部位は、人口歯を前装するため色を揃えるのがとても難しいです。

前歯が支台歯となる場合、前装部の厚みを優先させるため、しばしばキャップのみとし、外冠をつけない場合もあります。

総義歯と同じように辺縁封鎖により義歯の安定を保っていればなんら問題もないと思います。

稲葉歯科医院に来院された時、こちらの患者様は前歯が1本残っていました。

支台歯5本のフルブリッジだったのです・・・

取り外しの義歯を入れたくないという患者様のお気持ちはよくわかりますが、設計に無理があります。

あっという間に前歯はグラグラ。

そして、臼歯部も危ない状態でした。

前歯を抜歯して、半年ほど仮義歯で過ごしていただき、今回のセットとなりました。

内冠のトップには、箔がくっついています。

これは、外冠と内冠の咬合面側との間に0.3~0.5mmの緩衝腔を確保するためのもので、セット終了後まで、はがさないでいただきたいと思います。

コーヌス、リーゲル同様に、外冠にワセリンをたっぷりと塗り、内冠をセット同時に義歯も装着します。

セメントが固まったら、箔をエキスカで取り除きます。

装着後に沈み込んでいくので、よりフィットした感覚になると思います。

前歯部が残存している場合は、アンダーカットによる空気の侵入と、審美的な問題に十分留意してくださいね。

 

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