アンカーバンド・クローネ
こんにちは。
Weber dental labor 稲葉由里子です。
先週末、打ち合わせがあったので、ラボを訪れると・・・
詩織ちゃんの机の上に、こんな模型が・・・
いちごケーキみたい!!
いえいえ、ケーキではありません。(当たり前ですが(^_^;)
彼女が作っていたのは、下顎前歯は残し、左右をリンガルバーで繋いだリーゲルテレスコープでした。
模型を見て頂くとわかるように、8番(親しらず)を利用しています。
テレスコープを応用した補綴を行う際、歯冠軸が低く、その処置に悩むことが多くあります。
クリアランスが足りない、咬合平面を乱してしまうという理由で抜歯をしてしまうのは、もったいないです。
咬合平面から大きくズレておらず、下顎側方運動において干渉しなければ、利用できたら本当にありがたい。
そこで、考えられたのが、『アンカーバンド・クローネ』です。
これは、内冠を咬合面まで形成し、歯冠の周囲だけミリングする方法です。
さらに、維持及び支持のために、近心にキーウェイを形成、遠心にはディンプルや溝を付与します。
歯頸部には厚みが、0.8mm程度のショルダーを形成し、他の内冠と同じように鋳造します。
内冠の試適後、外冠製作用模型を作り、外冠の形成に移ります。
パターンレジンを外形に合わせて築盛し、その後、歯の解剖学的形態を付与します。
着脱を何回か行うので、ダミー部はパターンレジンでしっかりと補強します。
その後、埋没、鋳造、研磨を行い完成します♪
この日、始めて使う埋没材だったようで、混水比もシビアに計り、詩織ちゃんとても緊張していました。
本印象の石膏も、ドキドキしますが、埋没材も大変慎重に行います。
鋳造となると、私だったら命がけレベルだと思います。笑
そうそう、アンカーバンドの連結部は、脚をしっかり付与した方がいいです。
レジン床だけで固めても、必ず折れます。
私も1度経験があり、お預かり修理をさせていただき、脚を補強したことがありました。
アンカーバンド・クローネは、8番を利用でき、4点支持を得る事ができる救世主だと思います(^_<)-☆
もちろん、この部位にインプラントアンカーを打つのも良いと思います。
どちらにしても、咬合診断を行い判断することが重要ですね♪
完成したら、またご報告させていただきたいと思います。
今回の素晴らしい症例は、笠貫歯科医院の笠貫彩歌先生の症例です!
お仕事いただき、ありがとうございます(^_<)-☆
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