骨隆起がある患者様への対応・片側リーゲルテレスコープ
こんにちは。
Weber dental labor 稲葉由里子です。
私達は、しばしば骨隆起がある患者様の義歯を製作することがあります。
どのような事に注意すれば良いのでしょうか。
こちらの患者様は40代女性。
他院で、骨隆起が大きいので義歯を製作するのが難しいため、口腔外科にて骨隆起を削りましょう。
と提案されたそうです。
右上6番7番欠損の場合、反対側にバーを通し両サイドの歯にクラスプをかけるのが一般的ですが、リーゲルテレスコープの優れたところは、片側処理ができる事だと思います。
製作したのは、Weber dental labor の詩織ちゃんです。
床もどことなく、可愛い形なので思わず沢山写真を撮ってしまいました^ ^
ここで、ラボサイドで気をつけたい事は、床を薄くしない事。
特に骨隆起やアンダーカットの強い患者様は口腔内で取り外しをする際、調整を行います。
薄すぎると、調整できないので、しっかりと厚みをつけ、先生方にその加減を調整していただけると良いと思います。
厚みがあるな・・・
と感じても、調整をしているうちに薄くなるので、ある程度の厚みは必要だと思います。
重要な事は、骨隆起はしっかりと覆うことです。
口蓋に床がつく場合も同様、シュパルテ床などで、骨隆起を全て覆って製作をさせていただきたいと思います。
患者様の舌感も問題ありませんし、反対にこの部位をしっかり覆うことで骨隆起は利点ともなり得ます。
中途半端に覆うと、痛みや違和感を感じてしまいます。
咬合面をメタルにさせていただいたのは、前歯の咬合誘導が全く取れないので咬合圧が非常に強い事などが理由です。
全体的に見られる骨隆起も、アンテリアガイダンスが取れないために肥大してきたように感じます。
早速の臼歯のすり減りが強く、負担がかかっているのがわかります。
口腔内へ装着したところ、唇に隠れれば、床が見えることもまずありません。
右側の犬歯の誘導が欲しかったので、CRを少し盛って見ました。
側方運動では犬歯とリーゲルの小臼歯が誘導し、反対側の臼歯が少し離開するようにしました。
なかなか難しい症例だったので、今後の経過を追って見たいと思います。
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