リーゲルテレスコープ最後方歯の破折を防ぐには?

Q.リーゲルテレスコープの最後方歯が、失活歯で破折してしまいました。
破折を防ぐには、今後どのような事に気をつけなければいけないでしょうか?

A.リーゲルテレスコープの最後方の歯が破折したとの事ですが、テレスコープのような強支持型の補綴では良く遭遇しがちなトラブルだと思います。

遊離端義歯で後方の歯を失った場合は、いかにしても義歯の沈み込みを防ぐことは不可能です。

例えば、3本の臼歯を失い後方に歯がない場合で、最後方の支台歯が失活である場合には、歯軸の方向に縦破折が起きる危険が高くなります。したがって、最後方の歯をそのまま使うことは避けなければなりません。

それでは、その場合にはどのように解決したら良いでしょうか。

このような場合支台歯を傾斜させるような力を避け、咬合力を歯軸に伝えるのみにしています。具体的には、失活歯の歯冠を切断し、コーピングを施します。

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その上に、前方歯から延長したダミーのような形態のシュレーダーゲシーベと称する装置を設置し、歯冠と歯根の動きを分離し、義歯の沈み込みを歯軸の方向に導き歯根破折を防止しています。

テレスコープシステムを応用した補綴は、歯根破折が多いということがよく言われますが、このようにして対策すると良いと思います。

我が国では、残念ながら失活歯が多くみられますが、テレスコープシステムを応用した補綴は有髄歯が条件です。
抜髄をできる限り避けましょう。

あらかじめ、後方歯が割れる事を想定して対策を練ることが大切だと思います。

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