テレスコープ義歯、セラミックにするかコンポジットにするか。
こんにちは。
Weber dental labor 稲葉由里子です。
平成19年に片側リーゲルテレスコープを装着させていただいた患者様が稲葉歯科医院に来院されました。
当初、コバルトクロムを加工したリーゲルテレスコープで治療をさせていただきました。
患者様は、初診時すでにインプラント治療をされていましたが、副鼻腔あたりの違和感、他の理由もあり、再度インプラントで治療をするのではなく、義歯を希望されました。
患者様にお会いするのも、10年以上ぶりでした。
当時、前装はセラミックで治療をさせていただきましたが、その部分がバキバキと割れてきてしまいました。
リーゲルテレスコープの支台歯の対合歯はインプラントです。
支台歯はしっかりしていて、失活歯の部分が少しカリエスになっていましたが、動揺もなく装着した当初と変わらなかったので安心しました。
口腔内写真は、このような感じでマージン部の適合も変わっていませんでした。
これでは審美的に問題がありすぐに修理をさせていただくことになりました。
コバルトクロムによるリーゲルだったので、テンポラリーを製作し、一旦お預かり、キャステティックアーツの歯科技工士中沢勇太先生にお願いしました。
急いで修理していただいたため、1週間後にお返しすることができました。
レーザー溶接でお願いするはずでしたが、前装を外してみると、リテンションが付与されていたそうでコンポジットで修理することができました。
リーゲルテレスコープは、取り外しができるため、修理をすることができます。セラミックはどうしても、着脱時に欠けてしまうリスクもあるため、やはりセラミックよりもコンポジットの方が良いと思います。
それ以前に、咬合に問題があることに気づきました。
インプラント治療時の、咬合平面や前歯部の被蓋を考えておかないと、天然歯や顎関節は負けてしまうと思います。
当初より、前歯部の誘導が強くインプラントの前装が割れてしまっていたので、治療をしてくださった歯科医院に改善と相談をした方が良いのではと提案をさせていただいていましたが、閉院してしまったそうです。
咬合を改善しないと、また割れてしまうでしょう。
セラミックにするか、コンポジットにするかより前に咬合を第一に考える必要があると感じました。
次回破折してしまうことを考えて、咬合面をメタルにすることができるか考えてみたいと思います。
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