体と一体化する義歯
こんにちは。
Weber dental labor 稲葉由里子です。
先週末、ISOI国際口腔インプラント学会に出席させていただきました♪
沢山勉強できたし、今日から一週間がんばるぞ!
と思っていたら、私の診療の予約が入っていませんでした(-_-)
ちょっと拍子抜け。
じっとしていられない性格なので、とりあえず走ろうかな・・・
と、半年ぶりの皇居をランニング♪
紅葉はあと、もう少しといったところでしょうか。
緑が清々しくて本当に気持いい(^_^)
なんて、ニコニコと走っていると。
私の後ろから女性がスーッと追い越して行きました。
ここまでは、いつものことなのですが・・・
よく見ると、彼女は片足だけ義足だったのです。
完全に体と一体化していて、走る衝撃を吸収し、本当に自分の足のように軽やかに走っているのです。
私は走るのが、やや遅い。
ということもあるのですが、一生懸命追いかけても追いつく事ができませんでした。
ふと思いました。
私達歯科医師、歯科技工士が作り上げる、義歯は、患者様にとって、ご自身の一部として一体化しているのだろうか・・・
もし、そうであるのなら、本当に凄い事であるし、大切なを仕事をしているんだなって。
義足の関節には、衝撃を吸収するためのクッションがあるはず。
私達の顎関節にも、関節円板というクッションがあります。
その役割の重要さは、先生方もご存知の通りだと思います。
そして、歯1本1本歯根膜には、クッションがあります。
0.3mm〜0.5mm
私達の体には沢山のクッションがあって、体と一体化させるために重要な役割をしているのですね。
そこで考えられたのが、レジリエンツテレスコープ。
軸壁はパラレルでトップのところに歯根膜の沈み込み分、0.3mm〜0.5mmの緩衝腔を設けています。
患者様の歯根膜を利用した、素晴らしいテレスコープだと思います。
どんなに状態の悪い歯だとしても、保存できるのであれば、1本でも2本でも利用した方がいい。
と私は患者様にお伝えしています。
なぜなら、歯根膜の刺激が、噛む事によって脳に伝わるからです。
以前、私がレジリエンツテレスコープで治療させていただいた、患者様が脳梗塞を患われ、しばらく入院をし、リハビリをされていたそうです。
患者様は、義歯のおかげで、食事ができ、先生が驚く程はやい回復をされたと言います。
「ゆりこ先生がおっしゃってように、歯根膜の刺激が脳に伝わり、回復が早かったのだと思います。」
っておっしゃって頂いた時は、本当に嬉しく思いました。
すでに4人に1人が高齢者という超高齢社会の時代。
2040年には、2.8人に1人が、高齢者となります。
脳梗塞を含め、全身疾患を伴う多病な高齢者は増加していきます。
インプラント治療を行って、20年後どうなるのか。
ほとんどデータがありません。
インプラントを一旦行うと、再治療を伴う外科的な侵襲にずっと侵される事になるのです。
かなりリスクのある患者様に対しても、追加埋入をしないといけない状態にもなります。
私達、歯科医師の全身疾患に対するさらなる知識が求められるようになるでしょう。
全身疾患を理解し、臨床検査を読む事ができる歯科医師が、超高齢社会に求められてくると思います。
Weber dental labor が専門としている、ドイツのテレスコープシステム、シュトラックデンチャーの需要はこれから更に高まると感じます。
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