入れ歯だと気付かれたくないと思われている方へ
こんにちは。
Weber dental labor 稲葉由里子です。
「入れ歯だと気付かれたくない。」
「あの人入れ歯にしたんだな。って思われているようで心配です。」
という不安をお持ちの方、とても多いと思います。
今回ご紹介させていただく患者様は、50代女性。
保険のバネのついた入れ歯を使っていたのですが、どんどん歯が抜けてしまったとのこと。
上顎の骨が薄いため、インプラント治療を行う事ができず、ご自身の歯を2本利用したレジリエンツテレスコープで治療をさせていただくことになりました。
レジリエンツテレスコープは、口元を自由に作る事ができ綺麗な歯並びを再現する事が可能です。
しかし、今回の患者様は下の歯並びが不揃いで、色も着色があるのだけど、その歯に合わせて欲しいという主訴がありました。
このような患者様に対し、白い歯をずらっと並べてしまうと、入れ歯であることを他人から気付かれてしまいます。
患者様ご自身の歯にカスタマイズさせ、今回はWeber dental laboa 歯科技工士の小泉詩織さんにお願いしました(^_^)
患者様のために選んでいるシェードガイドはこちら。
IVOCLAR社 CHROMASCOP
このシェードガイドは明度と彩度が選択しやすく、人工歯の色と形態が決まると、臼歯は表を見る事で自然に決まる様になっているため使いやすいと思います。
人工歯の形態には S,SS,O,T,Cタイプ等があります。
形態の選択にはモールドガイドがあります。
人工歯の中切歯の形態は顔の形を180度回転した形と相似形であると言われますが、必ずしもそうとは限りません。
例えば、顔が細い人はTタイプが良いと考えますが、これを使用すると鼓形空隙が大きくなり、あまり審美性がよくありません。
隣接面の形は点接触よりも面接触のほうが審美性が良くなります。
彼女が選択したのは、3C 530
この色・・・なかなか使わない色だと思います。
でも、患者様の下の歯と一番合っていましたし、自然な感じがしました。
日本では取り扱っていなかったので、本国リヒテンシュタインから取り寄せたので、少し時間はかかりましたが、患者様はとても満足してくださいました。
綺麗!!
詩織ちゃんは、研磨がものすごく丁寧なのです。
2本の犬歯部分には内冠が入り、その上からカバーする形で外冠、レジリエンツテレスコープが装着されました。
IVOCLAR社にビボデント、オーソシットの3C 530シェードを作ってくれてありがとう。
と言いたいです!
ちなみに・・・
この人工歯は、1953年、チュービンゲン大学歯学部にてDr.Strackがデザインしたオルソタイプを使用しています。
Dr.Strackは、長年に渡る「下顎の運動の研究」によって、最大の咀嚼機能を発揮できる咬合面システムを開発したと言います。
その咬合面は、4面のピラミッドで構成される幾何学的な形態になっています。
この幾何学的な咬合面形態の人工歯は、患者様の条件に応じて歯を配置できるよう、理論的に設計されています。
また、素材は、最初は陶器で有名なフュッチェンロイター社製でしたが、30年前からは、リヒテンシュタインのIvoclar社による、イソシットを使用したコンポジットの人工歯を使用しています。
人工歯においても長い歴史を持っているので、患者様には安心してお使いいただけると思います。
患者様の歯の色彩に応じて、PHONARESシェードを用いる事も頻繁にあります。
この2つのシェードガイドで、テレスコープシステムはほとんどカバーされると思います(^_<)-☆
そして、セット後。
あまりの適合の良さに患者様はご自身で取り外せないほどでした。
犬歯のアンダーカット部に少し隙間を作り、空気が入るように調整をしたところ、どうにか外せるようになりました。
さすが、詩織ちゃん。
何よりも患者様がとても喜んでくださり、2人で心の中でガッツポーズでした!
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