パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース開催されました①
レポート/Weber Dental Labor Gmbh 歯科技工士 石川太一
2017年2月18.19日の二日間にわたって行われました、IPSGセミナー「パーシャルデンチャーテレスコープシステム 理論と実践」の初日の模様を報告させていただきます。
本セミナーは、1月に開催されましたIPSGセミナー「テレスコープシステムの臨床」に引き続き、より具体的な臨床症例や、技工分野における制作行程なども含めた研修内容となっており、毎年早い段階で定員に達する人気のセミナーです。
今年も、席が足りなくなる程の多くの先生方に参加していただきました。
まず初めに、IPSG代表稲葉繁先生より、テレスコープクラウンの基礎と臨床というテーマで講義してくださいました。
各種テレスコープについての概要や、バーの種類とその設計等を、稲葉繁先生が手掛けた臨床症例と照らし合わせながら詳しく説明されました。
その後コーヌステレスコープができるまでの動画を見ながら、チェアサイドとラボサイド両面からの各ステップごとの要点を解説してくださいました。
特にコナトアの使用法など、なかなかすぐに理解する事が難しい技工サイドの工程を、重点的に解説されました。
そのため、この後に行われるコーヌステレスコープ制作の実演が、より理解しやすいものになりました。
次に、IPSG認定技工士の高木清孝先生によるコーヌスクローネ制作のデモンストレーションが行われました。
今回セミナーが行われているIPSG研修ルームには、デモンストレーション用に、手元を拡大して撮影することができるカメラが天井から設置されており、それを見ることのできる大きいスクリーンと合わせて、席が離れた方にも非常に見やすいものとなっています。
まず始めに、チェアサイドで支台歯を仮形成した模型での、咬合高径や着脱方向の決定要素や、コーヌステレスコープには適応症例でない支台歯形態の解説がありました。
また、コナトアの構造についての解説があり、それを用いての内冠制作へと移っていきました。
アダプターフォイルを用いてワックスアップを行い、マージン出しの後ミリング操作を行いました。
コーヌステレスコープの場合は、コナトアを使用してのミリングを各支台歯一本ごとに作業していきます。
その後、横型研磨機による、コーヌス内観のミリング面の研磨が行われました。
稲葉繁先生によって考案されたこの横型研磨機による研磨は、精密なミリング面を誰でも簡単に作り上げることができるという秀逸なものです。
顕微鏡で見た、研磨されたミリング面の緻密さは驚くべきものがあります。
次にオクルーザルコアと外冠印象用個人トレーを制作し、それらを用いてピックアップ印象された内冠にレジン根を立てていきます。
印象に石膏を流しこんだ後、外冠制作、排列試適、完成仕上げとなります。
高木先生のデモンストレーションは、各段階で重要な点を詳しく説明してくださりながらも、全体的な流れを容易に理解することができるもので、テレスコープ初心者の方も非常にわかりやすいものだったと思います。
最後に、稲葉歯科医院の小西浩介先生より、コーヌステレスコープにおける咬合採得と、ピックアップ印象についての講義が行われました。
咬合採得については、そのタイミングや材料、採る枚数などに特徴があり、ピックアップ印象についても、オクルーザルコアを使用するなど、IPSG独自の方法論があります。
そのため、ご出席の先生方からのご質問が多い項目であり、本日最後に行われたこの講義内容により、より理解を深められたのではないかと思います。
セミナー後は、懇親会が行われました。
セミナーにご出席いただいた多くの先生方に参加していただき、おいしいお酒とお料理を召し上がりながら、より一層親交を深めていただけたかと思います。
▼レポート②はこちら
https://ipsg.ne.jp/20170218-partial-telescope-report2/