上顎の入れ歯の土台を削ってほしいとお願いされた時の対応

こんにちは。

Weber dental labor 稲葉由里子です。

「入れ歯の上あごの土台は取れないのか?もう少し短く削れないのか?」

と患者様から尋ねられることがよくあります。

しかし、総義歯やレジリエンツテレスコープにおいてこの部位は妥協できない部位となります。

患者様へは、

「入れ歯で、口蓋(上あご)を覆うことは、とても大事で、入れ歯の生命線となっております。
この部分をつけることで、噛む力を全体で受け止めることができます。
また、総義歯は辺縁封鎖と言って、空気が入り込まないようにすることで、
ウォーターフィルム現象を得る事ができます。
(ガラスとガラスの間に水を介在させることでピッタリとくっつく現象)
粘膜、唾液、義歯でウォーターフィルム現象を作るには、口蓋(上あご)を覆う必要があります。」

とご説明いただき、必ず慣れていただけるので大丈夫です。

とお伝えします。

それでも、どうしても口蓋をとって欲しい。

とおっしゃられたら、

「口蓋(上あご)を覆わないタイプの義歯について、当院で作製はしていません。
長い目で考えて、毎日接着剤をつけて、噛めない義歯を使うより、最初頑張って練習していただき、その後ご自分の一部として快適に使って頂ける入れ歯を作る方が良いように感じます。」

とご説明し、口蓋を取るのであればできないとお伝えした方が良いと思います。

以前治療をさせていただいた、患者様でお二人ほど、その場で嘔吐反応を催し、トイレに駆け込むぐらいの方がいらっしゃいました。

そのうちのお一人から感想をいただいております。

〜中略〜

順調に進み、型作りになり、嘔吐に悩まされましたが、ウソのように実物はあんまり抵抗なく受け入れる事ができました。
痛い所を1回、調節してもらっただけで、快調です。
先生~食事も美味しくただいています(*^_^*)
なによりも、口元を気にせずにいられれるのが嬉しいです。
私は幸せな事に保険適応の義歯を経験した事がありませんで、テレスコープシステムと比べる事ができません。
でもHPを拝見する限り、入れ歯を何個も持ってこられる患者さんのお話などを見て、なかなかしっくりくる物ではないんだなぁ、苦労してる方もいるんだぁという想像はつきます。
つけてる事を忘れてしまう位・・・
とれたりしない・・・
それほどしっくりと くるのがテレスコープシステムというドイツの入れ歯なのだと思います。
痛い所もなく、外れることもなく(取るのに苦労する程です(^^ゞ)
毎日快調です。

〜中略〜

全文はこちらです♪

痛い所もなく、外れることもなく、毎日快調です(千葉県 30代女性)

感想をいただいた時は、すでに慣れてしまってお忘れになってしまっているのですが、装着直後に強い嘔吐反応があり、とても心配したものです。

しかし、それでも削りませんでした。

もちろん心配だったので、1週間後にもう一度様子を見せてくださいとお伝えしたところ、数日後に「先生の言う通り、すっかり慣れてしまいました!大丈夫です。」

と予約の日にちを先に伸ばされたのを覚えております。

今まで沢山の人数の入れ歯を製作して参りましたが、全ての患者様に受け入れていただいていると思います。

削って欲しいとおっしゃられても、先生が自信を持ってサポートするから大丈夫とお伝えするだけでも患者様は安心します。

ぜひ、参考になさってください♪

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