サブリンガルルームの魔術師
こんにちは。
Weber dental labor 稲葉由里子です。
今日は、下顎の総義歯やレジリエンツテレスコープの舌側の形態について良い結果が得られたのでお伝えしたいと思います♪
患者様は、7年前に上顎コーヌスクローネ、下顎レジリエンツテレスコープを装着させていただきました。
右上の4番は7年間の中で、失ってしまいましたが、レジンで補強し、現在も快適に使ってくださっています。
問題は下顎でした。
「舌の裏側から空気が入って外れてしまう。」
とのことでした。
当時は原因がわからず、悩み、舌側の辺縁封鎖ばかりに気をとられ、レジンを盛たりしていました。
しかし、私も下顎の舌側形態の経験を積み、どのような形がベストなのかわかるようになりました。
それを実践で教えてくださったのは、小平デンタルラボの小平雅彦先生。
もちろん、顧問である稲葉繁先生のアドバイスです。
「これを見てごらん?舌がしっかりと、安定するポジションが大切なんだよ。舌が置く場所がないと、密着することができないため、舌が動いてします。そして、義歯を持ち上げてしまったり、空気が入ってしまったりするんだよ。」
と、教えてもらってからは、目からウロコでした。
今まで、自分がイメージしていたシュトラックデンチャーの形は全く違っていたのです。
シュトラックデンチャーは、舌の前方あたりの柔らかいところ(サブリンガルルーム・舌棚)を利用して安定感を高めているので、舌を自由に動かすことができます。
この形状なら、嚥下をしても舌の動きを妨げません。
臼後三角の形は、咬筋を避け、かつ義歯の沈み込みをしっかりと受け止められるようになっています。
そして、その形を忠実に反映することができるのが、小平先生です。
私は、何度小平先生から助けていただいたかわからないです。
口を開いたときに、舌のポジションがしっかりとあると、義歯の浮き上がりを防ぐことができます。
そして今回、7年前に製作したレジリエンツテレスコープをそのような視点で見ると、舌の形が全く違っていたのです。
小平さんに、舌側の形態を直していただく事になりました。
Ivoclarのイボベースは、仕上がりが綺麗です。
そして、修理していただいた後の写真です。
写真だとわかりにくいと思いますが、しっかりと舌のポジショニングができるようになりました。
患者様が、1番ビックリされました。
「空気が入らなくなった。外れなくなり、安定感が良い。」
とのことです。
小平さんは、サブリンガルルームの魔術師。(←そう呼ばせていただきます!)
シュトラックの形を忠実に再現できるのは、稲葉繁先生、小平先生、そして、今はもうその天才的な技工を見ることができない、稲葉先生の右腕として活躍されていた故岡部宏昭先生だけだと思います。
IPSGの先生方、どうぞ小平さんの総義歯のレベルを確かめていただきたいと思います!
さて、これから、もう一つ下顎の総義歯の修理を小平さんにお願いしているので、Weber dental labor の新人、峰岸さんと一緒に勉強したいと思います☆彡
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